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助産師みさおが勝手にしゃべる - サンフランシスコ滞在記【3月9日(火)】

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サンフランシスコ滞在記【3月9日(火)】

カテゴリ : 
旅行記
執筆 : 
midwifemisao 2010-3-10 16:30
滞在4日目。
昨夜は早く就寝できたおかげで、寝坊せずに起きられた。
今日もUSFでの研修。
本日のスケジュールは…
 8:00  演習見学(Pediatric Simulation Class)
      Skills Lab 見学
 12:30  名誉教授を表敬訪問
 16:30  卒業生のYさんとディスカッション


昨日に比べればゆったりしたスケジュール。
疲れは抜けきらないけれど、環境にも適応できて、同行者にも余裕がでてきた。
昨日と打って変って快晴に恵まれて、USF敷地内の芝生が青々と輝いていた。


まずは演習見学。
小児看護の演習で、事例に合わせた看護を演習する。
事前に出された事例を予習してきて実践するのだけれど、まだ3年生になったばかりの学生たちは、知識が統合しきれていなくて相談しながら、本で調べながら取り組んでいた。
学生は6人で、インストラクター(助教みたいな人)が1人で指導する。
3事例を2〜3人に分かれてケアするため、3つのベッドに新生児と6歳児の人形が1つずつと、もう1つは卒業間近の4年生が模擬患者を演じていた。




人形はコンピュータ制御されていて、心電図モニターなどで状態を観察できる。
もちろん、疾患によって症状をコントロールできる。
例えば、酸素吸入中の患者のカヌラが外れているのに学生が気付かずにいると、教員がこっそり設定を変更し、SpO2の値を下げる。すると、モニターのアラームが鳴って学生がカヌラが外れていることに気付くことができる。
アメリカの学生も日本の学生と同じく、最初はなかなか全体をみられなくて、なにか処置をしているときに対応すべき状況が他で起きても、全く気付かないことが多い。
患者の訴えや症状の変化に動揺して、相談したり調べたりしても分からないと固まってしまう。
学生同士で相談することに夢中になって、患者が泣いていても、コールしていても気付かなかったりする。

教員を話してみると、何度も同じことを注意するのになかなか覚えなかったり、講義や演習でやったはずのことを忘れている上に、「それは教えてもらっていません」と言ったりして、あきれることがあるという。
学生は日本もアメリカも一緒だな、としみじみ思ったりする。
2つの大学を比較しただけなので、かなり拡大解釈なのだけれど。

最近になって演習室が増えたようで、他の部屋も見せてもらう。
これは、母性看護の演習室にあった人形。


お腹の中に胎児を押し出すための仕掛けがあって、胎児娩出の様子を再現できるらしい。
USFの学部教育では助産師資格は取れないので、母性看護として分娩と産後のケアを学ぶらしい。
お腹には、産後の子宮モデルも入れられるので、子宮復古の様子も観察できる。
Skills lab.にもたくさんの人形や腕モデルが準備されていて、処置用の器具や衛生材料もできるだけ実際に使われているものが準備されていた。
学生は、いつでも来て自由に練習することができる。
でも、ビデオやデモンストレーションで見た方法を丸暗記するだけなので、なかなか応用ができないのが現状だったり、学生が使った後はなかなかきれいに片付けられなかったり、消耗品を無駄に消費してしまったりすることなど、教員の抱える悩みは同じだった。
基礎看護技術教育の難しさは、万国共通(言い過ぎ?)だと実感した。
それでも、モデル人形を多用したり、デモンストレーションビデオを作成したりして、五感を刺激する演習を工夫しているのがよくわかった。
学生に伝わるような演習を組み立てるためには、教員のたゆまぬ努力が必要なのだと再確認した。


演習室には常に学生がいて活気に満ちていた。
彼らも学生たちを見守っていた。


見学を終えて、昼はうちの大学の名誉教授を表敬訪問。
彼女が生活しているのはLife care homeというらしいのだけれど、看護師などの生活援助ができる人が常駐しているケアハウス。
しかも、かなり社会的地位のある方たちが老後を過ごす場所なので、ものすごく高級感が漂っている。
ランチにご招待いただいて、一緒に食事をしながら色んな会話を楽しんだ。
もう78歳になる名誉教授だけれど、今も年の半分は海外を飛び回っている。
そのバイタリティーに脱帽。
話すこともすごくアカデミックで、私たちの質問にも多角的な視点で答えてくれた。
少し膝が痛そうだったけれど、それ以外はお元気な様子で、私たちの訪問を喜んでくださった。
彼女がこのサンフランシスコ研修への道を開いてくれたので、感謝してもしきれない。彼女がいる限り、ずっとこの研修を維持していかなければと再認識した。


その後は、うちの大学の卒業生でSF在住のYさんと合流。
病院でAssistant Nurseとして働きながら、Registered Nurse (RN)の資格試験に挑戦している彼女に、アメリカで実際に目にする看護について話を聞いた。
Yさん曰く、アメリカの看護はすごくシステマティックで、患者さんの全体像をとらえて、患者中心の援助や、患者の心に寄り添った日本の看護を経験し、それを実践したいと考えている自分にとっては、すごく不満に思うことがたくさんあるとのこと。
Yさんの働く病棟では、RNは投薬などの医療介入を担当し、ベッドサイドケアはAssistant Nurseが担っているという。
患者の訴えがない限りは、決められた処置だけを行い、医療介入以外は他の職種に割り振るだけ。しかも、入院期間が短いので、看護計画を立てることも少なく、とにかく医療介入をシステマティックに行うだけだという。
SFで働くRNの時給は、他の地区に比べると倍以上で、SFで働きたいRNが溢れているので、看護師不足になることはほとんどない。仕事量は、多くの他職種が介入するため、RNが担うべき仕事は日本に比べると少なくて、しかも人数が多い分シフトも融通がききやすく、とても働きやすい環境が整っている。お金を得るための仕事として考えると、これほど恵まれた仕事はない。
けれど、熱意をもって看護しようとすると、多くの他職種によって仕事が細分化されてしまっているために、看護師の範疇を出て、例えば栄養指導をしたり、服薬指導をしたり、病棟でリハビリをしたりすると、その領域の専門職の役割を奪ってしまうため、全人的な看護が実践できない現状があり、それに嫌気がさしてしまう場合があるという。
日本はアメリカの後追いをして役割を細分化しようとしている感じがするのだけれど、アメリカと日本の間には大きな文化の違いがあるのだから、日本の良さを残した、日本独自の看護を突き詰めていくべきだという意見で、Yさんと我々が同意して濃厚なディスカッションを締めくくった。

サンフランシスコに来ると、必ずこの結論に辿り着く。
ディスカッションに加わるメンバーが変わっていっても、結局辿り着く結論は、「日本の看護はすごいんだから、もっと自信をもって、日本らしさを出していこう」ということ。
残り2日の研修で、これ以外の結論に辿り着くかどうか。
見て、聞いて、触れて、感じて、脳みそが沸騰するくらい考えてみよう。


今日はこの辺で、明日も早いので寝るとしよう。
疲れがたまってきて、読んでいる人に伝わる記事が書けているか自信がないが、最後まで読んでくださってありがとうございます。
とにかく、毎日更新することに意味があると思って書き続けます。

只今、3月9日(火)23時30分。
日付が変わらないうちに寝るとしよう。
それではまた明日。

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投稿者 スレッド
jukai
投稿日時: 2010-3-10 23:19  更新日時: 2010-3-10 23:19
常連さん
登録日: 2008-7-19
居住地:
投稿数: 12
 Re: サンフランシスコ滞在記【3月9日(火)】
こちら東京では昨日雪が降りまして、SFの抜けるような青空がうらやましい限りです。名誉教授やYさんとも会えたのはよかったですね。なんか去年よりすごく密度がグレードアップしてない?
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